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会社員の最大のリスクは「上司」――なぜ?

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  • 2014年12月16日
  • 読了時間: 5分

サラリーマンにとって、最大のリスクは何だろうか。リクルートを辞めて、中学校の校長を務めた藤原和博さんは「上司」だという。なぜ上司が最大のリスクなのか。話を聞いた。

サラリーマンの最大のリスクは「上司」

土肥:サラリーマンがたくさんの給料をもらうためにはどうすればいいのか――。人口が減少して、以前のような経済成長が難しい日本で、藤原さんは「レアな存在になることが大切」だと話されました。

 前回、「レアな存在」になる方法を紹介していただきましたが、さらにこんなことも話されました。「サラリーマンにとって、最大のリスクがある」と。その最大のリスクって、何でしょうか?

藤原:「上司」ですね。

土肥:ん? 上司? でもサラリーマンに上司がいない人なんていませんよね。ということは、全員リスクを抱えていると?

藤原:確かにサラリーマン全員にリスクはあるのですが、若い人にとってはあまりリスクはありません。なぜなら上司とうまくいかなければ、その上司が飛ばしてくれるから。そして幸運が開けてくる可能性がある。

 でも課長、次長、部長、役員と出世すればするほど、上司がすべてになってしまう。その上司とウマが合わなければ、サラリーマン人生が終わってしまう。35歳の人が10年後、45歳になれば、上司のリスクが倍増するんですよ。このことに気付いている人って、ほとんどいないんですよね。

土肥:上司が自分の幸せを握っている、と?

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藤原:そう思ってもいいでしょうね。“上司運”は本当に大切ですから。

 上司リスクをヘッジするためには、どうすればいいのか。現在働いている会社を山に例えると、サラリーマンはその山に登っています。そこでひとつの山を登るのではなく、左または右にある山にも登っておく必要があるのです。

 どういうことかというと、例えば、子どもが生まれて、教育に興味がある人は学校の行事などに参加してみてはいかがでしょうか。奥さんにPTAを任せるのではなく、自分がやる。またNPOなどに参加して、学校をサポートする。このほかにもテニスのコミュニティなどに参加して、会社と違うことをしてもいい。

 会社という“単線”ではなく、会社以外でいろいろなことをやる。つまり、“複線”でいくつかの山を登ってみてはいかがでしょうか。30代では3つ、40代では4つ、といった感じで。会社という主軸があって、そのほかにもいろいろやっていると、仕事になにかが返ってくることがあるんですよね。

 前編でもお話しましたが、これからの時代は「情報編集力」が必要になってきます。ひと昔前のように「(上司に)自分を出世させてください」とお願いするのではなく、上司に自分の情報編集力を見せて、引き上げてもらう。そういう意味でも、単線的な人生ではなく、複線的な人生のほうがいいのではないでしょうか。人生80年で、ひとつの山(会社)を登って終わり……というのはもったいないと思うんですよね。

敗者に対するリスクヘッジ

土肥:以前に比べると、サラリーマンの転職もハードルが下がりました。とはいえまだまだ、人材の流動性は低い。その背景に、日本には「敗者復活ができない」「一度負けてしまうと、そこから這い上がるのが難しい」と思っている人が多いのではないでしょうか。だからサラリーマンは「自分はこういったことがしたいなあ」と思っても、なかなかその土俵で勝負ができなかったりする。

 藤原さんは欧州で生活をされましたが、敗者復活に対する考え方は日本と違ったりするのでしょうか。

藤原:違いますね。欧米には敗者に対するリスクヘッジが、2つあるんですよ。1つめは「大学」。なにかにチャレンジして、それがダメだったとします。そのとき大学に戻って、ネットワークをつくることができるんですよね。例えば、アップルやグーグルでバリバリ働いていた人が会社を辞めて、大学に入学する。そして、バングラディッシュなど経済的に貧しい国に行っているケースがあります。そこでなにをしているかというと、自分の技術を使って「貧困」をなくそうとしている。なぜそんなことができるのかというと、会社を辞めてから大学でネットワークができたからなんですよね。

 もう1つのリスクヘッジは「教会」。仕事で大きな失敗をしても、教会から出直すことができるんですよ。米国のラスベガスでギャンブルに負けて破産した人でも教会に救われて、炊き出しなどをしながらやり直す。こうしたことは欧米では当たり前のようにやっていますが、日本ではあまり聞きませんよね。

 大学と教会――この2つの機能が、日本ではものすごく弱い。少し話はそれますが、だから日本では自殺者が多いのではないでしょうか。

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これからは「ペアで勝負する」

土肥:日本の大学ではどのような問題を抱えているのでしょうか。

藤原:情報を処理する仕事はどんどんなくなってきているのに、ほとんどの親は「自分の子どもは普通高校を卒業させて、一般大学に入学させよう」と思っている。そして会社に就職して、年収400万~800万円を手にしようとしている。でも、今後はこうした形のレールはありません。

 大学もそのことには気付いていると思うので、もっともっと特徴を出してもいいのではないでしょうか。秋田県に国際教養大学がありますが、そこは世界中から英語で授業ができる先生を引っ張ってきました。その大学に入学した学生は英語力を高めることができるので、就職率はほぼ100%を維持しているんですよ。学生は企業から引く手あまたの状態なんですよ。特徴を出そうとしない大学は、今後淘汰されていくのではないでしょうか。

 今回のインタビューで、私は「人生は複線化が大切だ」という話をさせていただきました。でも複線化のことについて、学校では教えないんですよね。なぜなら大学の先生は複線化していないから。ほとんど研究もせず、指導にもチカラをいれず……それでも年収1000万~1500万円ほどもらっている。たくさんの年収をもらっておきながら、アルバイトもできる。だから複線化する必要がありませんよね。食えちゃうんだから。

 またサラリーマンは「二極化」する。年収は200万~400万円の人と、800万円以上に分かれるという話もしました。でも200万~400万円しかもらえなくても、ガッカリする必要はありません。働いている女性と結婚すれば、家計が400万~800万円になるかもしれない。そして夫が複線、妻も複線の人生を歩んでいけば、いろいろなことに勝負できるのではないでしょうか。

土肥:なるほど。でも、いまは未婚率が上昇していますよね。

藤原:いや、「ペアで勝負する」という人が増えて、結婚が見直されていくのではないでしょうか。

(終わり)

 
 
 

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